牛窓オリーブ園主要品種

牛窓オリーブ園主要品種

オリーブ園には、現在約2千本近いオリーブの木があります。
珍しい品種や、園内で交雑してできたどこにもない品種もたくさんありますが、特に注力して育てている主要品種があります。
それぞれの品種には特徴があって、だんだん見分けられるようになるとそれぞれの良さが感じられるようになります。

• ネバディロ・ブランコ

スペイン原産品種。果実はやや曲卵形（※1）で大きさは中くらいです。
樹形は開張性が顕著で、樹高より樹幅が大きくなります。

樹勢（※2）も旺盛で、特に苗から幼木にかけての成長は顕著（※3）で、初心者向けといえます。

花粉量が多いため、受粉樹としての価値が高く、果実を楽しむ場合、この品種を加えます。

湿害に弱いです。不完全花（※4）が多く、自家不結実性（※5）が高いです。

• マンザニロ

スペイン原産品種。果実は整円形で、核（※6）が小さく大きさは中です。

テーブルオリーブズ（※7）用好適品種。

樹形はやや開張性で、葉は硬く小さいです。

自家不結実性が高く、受粉樹が必要です。樹勢も旺盛ですが、高木性ではありません。

早生品種（※8）、含油率は低いです。

• ミッション

アメリカ原産品種。しかし由来をさかのぼれば、スペイン原産品種といえます。

果実は尖頭卵形（※9）で中くらいです。

オイル用、テーブルオリーブズ用とどちらにも適しております。

樹形は、直立性で高木性を示します。台風などの風害に弱く、倒れることがあります。

自家不結実性が高く、受粉樹が必要です。

• ルッカ

イタリア原産と推定されます。主産地はアメリカです。

果実は(やや下膨れ)卵形で小さいです。

含油率が高くオイル用好適品種です。

樹形はやや開張性、樹勢は強いです。大木になります。炭疸病にも強いです。

比較的単一品種でも結実可能です。

• アルベキナ

スペイン北部原産品種。果実は球形で小さく、感覚的には日本の小梅に似ています。

主にオイル用好適品種であるが、稀にテーブルオリーブズにも利用される。

幼少期の結実性が良好で、路地植えでも3年目くらいから結実します。

幼少期の成長は旺盛であり、育てやすいが、高木にはなりません。

樹形は、やや開張性です。

• セントキャサリン

日本へはアメリカから導入されたが、原産地等は不明です。

果実は小ぶりで先端がやや尖った形状をしています。オイル用品種になります。

幼少期の樹勢はよく、成長が早いです。樹形がまとまりやすく観賞用に適しています。

樹形はやや直立性で高木性となります。単一品種で結実可能と言われています。

スペイン自社農園主要品種

• モルー

スペイン原産品種、スペインのタラゴナ県（※10）のエブロ川（※11）河口域で栽培されている地域特有の品種であるが、一部スペインのカステジョン県（※12）でも栽培されています。

樹勢は中程度、樹形は開張性、葉は比較的長いです。

オイル用品種。果実は尖頭卵形で中くらいです。

熟期が長く、収穫が長期に及ぶ傾向があります。

含油率は中程度で、フルーティさの強度は中程度です。緑果から得られるオイルは、葉や草を連想する香りとアーモンドやアーティチョークの香り（※13）があり、熟した果実から得られるオイルは、りんごの香りが主体で苦味は少ないです。

※1曲卵形：まがった卵のような形。

※2樹勢：その名の通り木の勢い。

※3苗から幼木にかけての成長は顕著：苗からの成長がはっきりとわかりやすい。

※4不完全花：１つの花で萼 (がく) ・花びら・雄しべ・雌しべのどれかを欠く花。

また、子房の発育不良や柱頭(雌しべの先端)の形成不全なども含まれます。

※5自家不結実性：自分の花の花粉を雌しべに付けても実がならないこと。

※6核：種のこと。

※7テーブルオリーブズ：オリーブ果実を塩漬けやオイル漬けにした食用のものを、テーブルオリーブズという。食用として加工したもの。

※8早生品種：作物は、早生、中生、晩生に分類され、作物の収穫時期となるのが中生よりも早い品種を早生品種と呼ぶ。

※9尖頭卵形：先端のとがった卵のような形。

※10タラゴナ県：スペインカタルーニャ州の県

※11エブロ河：スペイン北東部の川

※12カステジョン県：スペインバレンシア州の県

※13アーティチョークの香り：チョウセンアザミのつぼみの香り

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