暮らしの中にオリーブを。

2019年9月_プラトンのオリーブ樹編

2019.09.01

哲学者プラトンと言えば、知らない人がいないほど有名ですね。
しかし牛窓町の日本オリーブにそのプラトンゆかりのオリーブ樹があることはまだまだ知られていません。
寄贈してくださった篠田秀男氏が「医家芸術」という書物にそのいきさつを書いておられますので、紹介いたします。

プラトンのオリーブ牛窓に育つ 篠田秀男


 私は昨年(昭和四十七年)六月十八日たまたま、岡山県邑久郡牛窓町牛窓のオリーブ園を訪れ、本邦オリーブ栽培の開拓者である服部和一郎氏にお目にかかり、氏が造園したローマの丘にプラトンのオリーブ樹を寄贈して来ました。
 牛窓は今はあまり世間に知られていない港町かも知れませんが、昔から神功皇后(気長足姫)にまつわる幾多の伝説を伝えてきた古い歴史の港であり、万葉の歌人柿本人麿の歌にも「牛窓の浪のしほざい島ひびき よられし君にあはずかもあらむ」と詠まれていることでも知られております。

 また私が寄贈したプラトンのオリーブ樹の由来について申し上げると、古代ギリシヤの哲人プラトンに縁のあるオリーブの樹が、現在もアテネ市ピルー通りプラトン広場に二千年以上も古くから成育しており、哲人プラトンがその樹の下で遊説したと言い伝えられております。私が昭和三十年に第一回の世界旅行をやった折、十二月二十五日に同広場でその歴史的オリーブの老樹を見て参りましたが、今はギリシャの国宝に指定されており、樹の高さは人間の四倍ぐらいかと思われました。樹幹は流石に古めかしく枝には熟した暗紫色の実が沢山付いておりました。また老樹の周りには鉄柵が巡らされており、ギリシヤ語で「プラトンのオリーブ樹」という意味の立札が付けられてありました。

 私がエスペラントの友人カルメーノスさんと一緒に老樹を見に行ったとき、近所から数人の子供らが集まって来て、その内の一人が私のためにオリーブの実を三個だけ採ってくれました。私はその実を日本まで持ち帰り、農芸専門家の高木五六博士を煩わして実を発芽させてもらい、冬は温室内で保護して永年の間植木鉢で育てて来ましたが、いまだに花も付かず実も結ばないので昨年六月思い切って牛窓のオリーブ園に寄贈することを決意したのでした。
 私としましては十七年も可愛がり育ててきた我が娘同様のオリーブ園の樹であるが、今後は牛窓の景勝地ローマの丘にすくすくと成育し、プラトンのオリーブ樹として末永く日本に育ち栄えることを念願してやみません。

 遥けくも移せしプラトンのオリーブや
   永久に栄えよ牛窓の丘に

「医家芸術」第十七巻第三号医家随想より

現在は、日本オリーブ株式会社本社事務所前庭にプラトンのオリーブ樹の挿し枝から成長した樹があります。

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瀬戸内のエーゲ海、牛窓オリーブ園へ

瀬戸内の美しい島々を見渡す丘にある「牛窓オリーブ園」がわたしたちの活動拠点です。約2,000本のオリーブが茂る園内にはハーブ園や幸福の鐘の丘などがあり、家族でくつろげる観光スポットとしても知られています。山頂にあるショップには当店で販売されている化粧品、食品、オリーブの鉢植えなどが並び、展望台からは周囲の景色をぐるりと360度眺めることができます。初夏に咲く白いオリーブの花、秋に色づくオリーブの実、そして年に一度、大勢のお客様でにぎわう収穫祭と、四季折々の表情を楽しんでいただけます。

オリーブの木
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