日本オリーブ株式会社では、牛窓自社農園産オリーブ葉エキスの研究と商品への応用を進めています。
ローマ帝国時代の知識人プリニウスの「博物誌」は、現代の知識とは少し異なる部分もありますが、植栽樹からとれる薬剤の中で、ブドウの次に重要とオリーブを位置付けていて、私たちの活動の励みになっています。
オリーブ葉について詳しく書かれた部分から、その価値をおさらいしましょう。
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オリーブの葉から二三種
次に重要なのはオリーブであると考えられている。
オリーブの葉は収縮、洗浄、抑制の効果が極めて強い。したがって、オリーブの葉をよく噛んであてがうと、潰瘍が治り、頭痛の際にはオリーブ油と一緒に塗りつける。ハチ蜜と一緒に煎じたものは、医者が焼灼した部分、歯茎の炎症、瘭疽(ひょうそ)、汚れて化膿している潰瘍に用いる。ハチ蜜と一緒に用いると、筋の部分からの出血を止める。
オリーブの葉の汁は眼のまわりにできた廱(よう)の潰瘍や膿庖、眼球突出に効果がある。そのため眼薬のうちに加えられる。事実、慢性の流涙やまぶたの糜爛(びらん・ただれ)を癒す。その汁は、オリーブの葉にブドウ酒と雨水をそそぎ、磨り潰して搾り出す。それを乾燥させ、小分けにして丸薬にする。
羊毛に浸して子宮にあてがえば、月経を抑える。また血膿が流れ出す場合や、コンジローム、丹毒、匐行(ふくこう)性の潰瘍、エピニュティクスに効き目がある。
※大槻真一郎訳 八坂書房より。
中野定雄訳 雄山閣では、コンジロームは「疣贅」、エピニュティクスは「夜痒疹」と訳されている。
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効果として「収斂・洗浄・抑制」とありますが、これは葉に含有されているオリーブポリフェノールの働きによるものと思われます。
オリーブ葉の研究は国内の大学でも筑波大学などで行われていますが、当社は関係性の深い岡山大学農学部と共同研究を進めてきました。
まず、オリーブ葉に含まれるポリフェノールは、一般に抗酸化作用が高いといわれているビタミンCの32 倍ものパワーが確認されました。ホワイトニングのメカニズムにおいても補完的なアプローチが期待されます。そこで、2002 年に発売した薬用美白シリーズには牛窓自社農園産オリーブ葉エキスを配合し、移り変わりが激しく安全性がいっそう求められる美白市場において20 年近い実績のある美白シリーズとしてお客様にご愛用いただいております。
さらに、オリーブの専門家集団として私たちは、微生物変換、つまり従来の成分に微生物を作用させることで、付加価値の高い新規成分を作り出す技術を用いて、唯一無二のオリーブ葉由来成分を開発しようと取り組んできました。第一ステップとして食品にも使われる麹やビール酵母などを用いて試行錯誤を重ねました。その中ではパン酵母が有効であることがわかりました。次に効率良くその成分を産生するために、果樹や野菜の花の酵母を使って研究を進めたところ、なんと、最も適しているのがオリーブの花酵母であることがわかりました。現在は商品化に向けた研究を進めています。
素肌の健やかさや本質的な美しさに価値を置き、「肌につけるものはできるだけ自然なもので」。人類の英知を大切に受け継いでいきたいと考えております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
瀬戸内の美しい島々を見渡す丘にある「牛窓オリーブ園」がわたしたちの活動拠点です。約2,000本のオリーブが茂る園内にはハーブ園や幸福の鐘の丘などがあり、家族でくつろげる観光スポットとしても知られています。山頂にあるショップには当店で販売されている化粧品、食品、オリーブの鉢植えなどが並び、展望台からは周囲の景色をぐるりと360度眺めることができます。初夏に咲く白いオリーブの花、秋に色づくオリーブの実、そして年に一度、大勢のお客様でにぎわう収穫祭と、四季折々の表情を楽しんでいただけます。
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